「Webサイト制作の見積もりをお願いします」と相談を受けた際、かつてはページ数に単価を掛けるだけで概算が出せました。しかし、AIがコーディングやライティングを高速化する現在、この「ページ単価」という指標は、実態と大きく乖離し始めています。

ページ単価という指標の限界
ページ単価で見積もる手法は、制作会社にとっても発注者にとっても分かりやすい指標でした。しかし、AIの活用により、単純なコーディングや定型的な文章作成にかかる時間は劇的に短縮されています。もし制作会社がAIを駆使して短時間でページを量産しているのに、従来のページ単価を維持していれば、それは適正な価格とは言えません。
一方で、Webサイトの価値は「ページ数」ではなく「成果」にあります。AI時代において、制作会社が提供すべき価値は、単にページを作ることではなく、調査、設計、検証、保守、成果測定といった、AIが代替しにくい上流工程や運用フェーズにシフトしています。
料金設計に反映すべき5つの要素
これからの見積もりでは、ページ数という「成果物」の量ではなく、プロジェクトの成功に必要な「工数と専門性」を分解して提示する必要があります。
- 調査・分析:競合調査やユーザーニーズの把握。ここを疎かにすると、いくらページを増やしても成果は出ません。
- 設計:サイト構造や導線設計。AI検索対策(GEO)を意識した情報設計は、制作の根幹です。
- 検証:公開後の表示速度やアクセシビリティ、デバイスごとの挙動確認。
- 保守:セキュリティ対策やCMSのアップデート。
- 成果測定:Google アナリティクスやSearch Consoleを用いたデータ分析と改善提案。
これらは「ページ」という単位には収まりきらない業務です。見積書には、これらの項目を明記し、なぜその費用が必要なのかを論理的に説明することが求められます。
実務で確認すべき判断基準
見積もりを比較する際、総額だけで判断するのは危険です。以下の手順で内容を確認してください。
- 作業範囲の明確化:原稿作成や撮影、SEO設計が含まれているかを確認する。
- 工数ベースの算出:「ページ単価」ではなく、各工程に何時間かかるのかという「工数」で算出されているかを確認する。
- 成果へのコミットメント:公開後の運用や改善が料金に含まれているか、あるいは別契約なのかを明確にする。
「安く作って終わり」のサイトは、AI時代においてすぐに陳腐化します。本当に成果を出すためには、制作会社と「何のために作るのか」「公開後にどう改善していくのか」を共有し、そのための工数に対して対価を支払うという意識が不可欠です。
まとめ
ページ単価という古い物差しを捨て、プロジェクトの目的達成に必要な業務を積み上げる。これがAI時代の適正な料金設計です。私たちUPSHAREも、単なる制作会社ではなく、サイト改善のパートナーとして、透明性の高い見積もりと成果に直結する運用を大切にしています。もし、今のサイト運用や制作の見積もりに疑問を感じているなら、一度立ち止まって「その費用は、本当に成果につながる投資なのか」を問い直してみてください。



