こんにちわ、稲井田です。ブログ記事を見て頂きありがとうございます。
今回の記事は「Web・システム営業は何を勉強すべきか 最低限身につけたい商品知識」についてです。

前回は、商品を理解せずに「できます」と安請け合いすることが、顧客と制作現場の双方にどれほどのしわ寄せを生むかという構造を整理しました。今回はその続きとして、営業が商談の場で『確認すべきこと』に気づくために、最低限身につけておくべき商品知識を具体化します。
エンジニアになる必要はありません。しかし、顧客の要望が技術的にどの領域に触れるのかを理解していないと、適切な質問も、専門担当へのパス出しもできません。以下の項目を、商談の判断基準として持っておいてください。
商談で確認すべき9つの技術領域
営業が最低限押さえておくべき知識を、Web・システム開発の工程順に整理しました。それぞれ『仕組みの説明』『顧客への質問』『専門担当への確認タイミング』をセットで考えます。
1. CMS(コンテンツ管理システム)
仕組み:Webサイトの文章や画像を、専門知識なしで更新するための管理画面です。質問:「誰が、どの頻度で、何を更新しますか?」確認:既存のCMSからの移行か、新規構築か。機能要件が標準機能で収まるか、カスタマイズが必要かを専門担当に確認します。
2. サーバー/ドメイン
仕組み:Webサイトの住所(ドメイン)と、データを置く場所(サーバー)です。質問:「現在利用中のドメインやサーバーはありますか? 移管の可否は?」確認:既存環境のスペックや契約状況。セキュリティ要件を満たせるかを確認します。
3. DB(データベース)
仕組み:情報を整理して蓄積する箱です。質問:「どのようなデータを、どれくらいの量保存しますか?」確認:データの複雑さや検索頻度。設計の難易度を専門担当に確認します。
4. API
仕組み:外部サービスとシステムを連携させる窓口です。質問:「他社サービス(決済やSNSなど)と連携したい機能はありますか?」確認:連携先のAPI仕様が公開されているか、開発工数がどれほどかかるかを確認します。
5. 認証/権限
仕組み:誰がログインでき、どこまで操作できるかを制御します。質問:「管理者と一般ユーザーで、見せる画面を分けますか?」確認:複雑な権限設定が必要な場合、設計工数が跳ね上がるため必ず専門担当に相談します。
6. 決済
仕組み:オンラインでの金銭授受の仕組みです。質問:「どの決済手段(カード、コンビニ、キャリア決済など)を導入しますか?」確認:決済代行会社との契約要件や、セキュリティ基準(PCI DSSなど)への対応を確認します。
7. SEO/アクセス解析
仕組み:検索順位向上やユーザー行動の可視化です。質問:「サイト公開後の目標数値や、重視するキーワードはありますか?」確認:実装段階で必要なタグ設置や構造化データの設定範囲を確認します。
8. セキュリティ
仕組み:不正アクセスや情報漏洩を防ぐ対策です。質問:「個人情報や機密情報を扱いますか?」確認:必要なセキュリティレベルと、予算に応じた対策範囲を専門担当とすり合わせます。
9. 保守
仕組み:公開後のシステム維持・運用です。質問:「公開後の更新作業や、障害時の対応は誰が行いますか?」確認:保守範囲(サーバー監視、OSアップデート、コンテンツ更新)を明確にし、見積もりに含めます。
まとめ:『できます』の前に立ち止まるために
これらの知識は、エンジニアと対等に話すためではなく、顧客の要望を聞いた瞬間に「これは専門担当に確認が必要な領域だ」と気づくためのアンテナです。用語を覚えるだけでは不十分です。顧客の曖昧な要望をそのまま受け取れば、必ず提案はズレます。
次回は、この知識を前提として、「できます」と答える前に聞くべき質問と、その順番について考えます。まずは、目の前の商談で「この項目は確認したか?」と自分に問いかけることから始めてみてください。



