制作会社・開発会社の営業が現場を知らないまま提案してしまう問題

現場の業務フローを知らないまま提案されるシステムやWebサイトは、なぜ失敗するのか。営業が持つべき責任と、発注側が確認すべきポイントを経営者の視点で解説します。

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今回の記事は「制作会社・開発会社の営業が現場を知らないまま提案してしまう問題」についてです。

制作会社・開発会社の営業が現場を知らないまま提案してしまう問題のイメージ図
AIで作成したオリジナルイメージ

システム開発やWeb制作の現場で、よく耳にする悲劇があります。それは、営業担当者が現場の業務フローを深く理解しないまま、耳当たりの良い提案をしてしまうケースです。結果として、納品されたシステムは「高機能なのに誰も使わない」「現場の作業をかえって複雑にする」という、目も当てられない状況に陥ります。

現場を知らない提案が招く「ズレ」の構造

なぜこのようなことが起きるのでしょうか。多くの場合、営業担当者は「受注」をゴールに設定しています。顧客の要望を鵜呑みにし、技術的な実現可能性や、それが現場の業務にどう組み込まれるかを想像しないまま、契約を急いでしまうのです。私自身、経営者として多くのプロジェクトを見てきましたが、現場の泥臭い作業を無視した提案は、どれほど華やかな資料であっても、最終的には「使えないもの」としてゴミ箱行きになる運命を辿ります。

たとえば、営業が「AIで自動化しましょう!」と提案したものの、現場の担当者が入力すべきデータがそもそも整理されておらず、かえって手作業が増えてしまった、なんていうのは笑えない話です。私も過去に、良かれと思って導入したツールが、実は現場の動線を無視していて、スタッフから「これ、前より面倒くさいです」と静かに突き返された苦い経験があります。あの時の、自分の考えの浅さを突きつけられたような気まずさは、今でも忘れられません。

発注側が確認すべき「現場のリアリティ」

では、発注側はどうすればこの罠を回避できるのでしょうか。重要なのは、営業担当者に「現場の業務フローを具体的に説明できるか」を問うことです。単に「何ができるか」ではなく、「誰が、いつ、どのような手順で使うのか」を語れるか。もし営業が「それはエンジニアが考えます」と答えるなら、その提案は要注意です。

  • 業務の目的を言語化できているか:「効率化」という曖昧な言葉で逃げていないか。
  • 現場の担当者が参加しているか:企画段階から実際に使う人が関与しているか。
  • 失敗の可能性を語れるか:メリットだけでなく、導入に伴う現場の負荷やリスクを正直に伝えているか。

これらを確認するだけで、提案の質は劇的に変わります。丸投げは、失敗への最短ルートです。

提案側が持つべき「責任」とは

一方で、提案する側の会社にも重い責任があります。営業担当者は、単なる「注文取り」ではなく、顧客の事業を成功させるための「パートナー」であるべきです。現場を知らないまま提案することは、顧客の予算と時間を浪費させる行為に他なりません。もし現場の知識が不足しているなら、エンジニアや現場経験者を商談に同席させるべきです。自分の知識不足を隠して契約を急ぐのは、プロの仕事ではありません。

私たちアップシェアでも、AIを組み込んだ開発を行う際は、必ず現場の業務を徹底的に観察します。時には「今の業務フローなら、システムを入れない方がいいかもしれません」と提案することさえあります。それは、目先の利益よりも、顧客の事業が長期的にうまくいくことを優先しているからです。

まとめ:失敗を前提にしたプロジェクト設計を

システム開発やWeb制作は、魔法ではありません。現場の地道な積み重ねを、少しだけ楽にするための道具です。だからこそ、現場を知らない提案は、どれほど最新の技術を使っていても機能しません。

もし今、提案を受けている最中なら、一度立ち止まって「これは本当に現場のスタッフが喜ぶものか?」と自問してみてください。そして、営業担当者に「現場の苦労」を語らせてみてください。そこで言葉に詰まるようなら、その提案は一度見直すべきです。同じようなアプリやシステム開発でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。現場の視点を大切にした、地に足のついた提案をさせていただきます。

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稲井田アップシェアの現場で得た知識やノウハウをお届けします。